特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
肝・胆道疾患—とくに肝内結石症
三宅 博
1
,
鍬塚 登喜郎
1
1九州大学医学部
pp.501-505
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202907
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肝胆道疾患で最もしばしば遭遇する外科的疾患は胆石症であろう.胆石症の診断にあたつては,定型的な発作を欠くために困難を感ずることもあるし,また,治療にあたつても合併症あるいは胆道の奇型等の為に胆嚢の摘除に著しく苦労する場合もあるが,治療上最もむずかしく,且つ問題が多いのは胆管に発生する結石,特に肝内胆管に生ずるいわゆる肝内結石の場合である.本疾患は内科的には勿論のこと外科的にも不治の疾患と考えられて来た.外科的の技術や内科的療法の進歩した今日においても,依然として本症が難治の疾患であることは論をまたない.
ここに,肝内結石症の1,2を紹介してその診断の問題,治療の問題を論じたい.
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