特集 手こずつた症例―私の経験した診断治療上の困難症(Ⅰ)
胃癌に対する胃全剔術後の困難症—特に栄養障害について
卜部 美代志
1
,
村上 誠一
1
,
高野 利一郎
1
,
橘 貞亮
1
,
太田 順子
2
1金沢大学医学部
2金沢大学栄養部特別調理室
pp.453-464
発行日 1962年6月20日
Published Date 1962/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202900
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緒言
最近における化学療法の発達,麻酔法の普及,手術手技の改善ならびに術前,術後の管理の進歩等2)5)8)9)10)11)12)17)22)は,外科手術の適応の著しい拡大と,治療成績の向上とをもたらした.
このことは,胃癌の外科的治療においても例外ではなく,領域リンパ腺の廓清は従来に比較して一層徹底的に行われるようになると共に,噴門近く迄変化を伴つているような,相当進展している症例に対しても,積極的に胃全剔術が施行される場合が多くなつてきた.しかし胃癌に対する胃全剔術を,より安全且つ確実な治療方法とするためには,さらに工夫,改善を要する点が少なくない.
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