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前立腺剔除術後の低カリウム血症
井上 武夫
1
,
岩村 貢
1
,
星野 英一
1
1横浜医科大学泌尿器科教室
pp.577-581
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201491
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緒言
Elman(1947)がその著書Parenteral Alime-ntation In Surgeryに於いて「細胞内液は多量のカリウム,マグネシウム,燐を含んでいるから,非経口的液体投与で組織の修復を願う場合にはこれらの塩類を投与液の本質的組成としなければならぬ」と述べて以来カリウムの意義が注目されて来た様である。
泌尿器科方面でも尿管腸吻合術の普及につれ電解質の問題が取り上げられ,就中ナトリウム,クロールと共に,カリウムが重要視される様になつた。最近我々は前立腺剔除術後に起つた定型的低カリウム血症に塩化カリウムを投与し,臨床症状が著明に改善した1例を経験したので茲に報告し併せてカリウムの臨床について述べる。
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