Japanese
English
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肺結核症に對する一側肺全剔除術
Pnetunoectomy as the Treatment of Pulmonary Tuberculosis
卜部 美代志
1
,
林 周一
1
,
吉田 則武
2
Urabe Miyoshi
1
,
Hayashi Shuich
1
,
Yoshida Noritake
2
1東京大學醫學部福田外科
2國立療養所清瀬病院
pp.209-213
発行日 1949年5月20日
Published Date 1949/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200453
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緒言
空洞病巣を有する肺結核に對して今日虚脱療法が卓越した効果を擧げてはいるが,その虚脱療法を種々に組合せて加えてさえも如何しても處理出來ない空洞病巣がある。之等從來の虚脱療法を以てしては効果の期待し難い症例を直達療法殊に肺切除術の適應としてとり上げて治療することが試みられ,近來歐米に於てはかなり關心が高められて來たようである。日本に於て肺結核に對する肺葉切除術は大正13年關口教授による結節性結核に對する1例,昭和13年小澤教授の宿題報告中に結節性結核1例,肺上葉炎3例計4例に對する記述がある。其後約10年を經た昭和23年秋の第1囘胸部外科研究會に於ては河合,宮本,鈴木,慕内等の諸氏による報告があり,最近日本に於ても本治療法への機運が向いてきたことを示している。一側肺全剔除術は小澤教授によつて非結核性疾患である癌,肺壞疽,氣管枝擴張症等の4例に施行された報告があるが,肺結核に行つた報告はまだない。
然し肺結核に對する肺切除術なるものが,はたして妥當な方法であるか,もしそうだとしても,その適應範圍等に就いては嚴正な批判檢討が加へられなければならぬと思う。從つて吾々が自驗例の遠隔成績から歸納した肺切除に關する正しい適應に就ての見解を述べ,それに從つて手術を行い得るためには尚一定の日時と少なからぬ努力とが必要なことになろう。
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