Japanese
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綜説
軟部組織の好酸球肉芽腫について—12例の経験と文献的考察
Eosinophilic Granuloma of the Soft Tissue. Experience of 12 Cases and Review of the Literature
綿貫 喆
1
,
粟根 康行
1
Tetsu WATANUKI
1
,
Yasuyuki AWANE
1
1東大医学部木本外科教室
pp.5-17
発行日 1962年1月20日
Published Date 1962/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202845
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いとぐち
好酸球浸潤をともなつた肉芽腫は,骨,皮膚,胃腸管,皮下軟部組織などに出現するが,これらは一般に好酸球肉芽腫(eosinophilic granuloma)と総称されている.これらの病因については不明な点が多いが,いずれも予後は良好であり,その上に比較的まれな疾患であるためにそれぞれの全貌はすべて明らかにされているわけではない.しかもこれらの疾患はしばしば同一面上で論じられる場合が多く,一括して考えられる傾向が強い.たしかにその組織像においては好酸球浸潤をともなう肉芽腫という共通の形態を示し,また流血中の好酸球動態は同傾向の態度を示すにしても,疾患の発生する場はそれぞれ異なつたところであり,それぞれ別のclinical entityを想定する方が種々の混乱発生を防ぐことが可能であろうと思われる.外国において報告例も多く組織学的追求も進んでいる骨に発生するものは骨好酸球肉芽腫(eosinophilic granuloma of the bone)として,また皮膚のものは皮膚好酸球肉芽腫(eosinophilic gra-nuloma of the skin)として明らかに別のentityとして分類されている.
皮下軟部組織に発生し1つのまとまつた臨床像を呈するものは本邦において好酸球肉芽腫としてすでにいくつかの報告例があるが,その記載には多少の混乱が認められる.
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