Japanese
English
症例
円靱帯静脈瘤の症例
Case report on intrainguinal varicocele of lig,rotundum
天野 尹
1
,
笠島 欣一
2
,
児玉 政久
2
Makoto AMANO
1
,
Kin-iti KASASHIMA
2
,
Masahisa KODAMA
2
1秋田赤十字病院外科
2秋田赤十字病院婦人科
pp.853-855
発行日 1960年10月20日
Published Date 1960/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202661
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妊娠時の円靱帯(子宮鼠径索)静脈瘤について著者の一人天野は1952年3例を報告し,症状,治療,頻度等について考察を加えた1).その後において本邦文献に14例の報告があり,著者等も亦さらに6例を経験したので,ここに追加報告する.この6例中5例は手術せず,分娩後消失した例で,1例は手術後再び妊娠し,大陰唇に静脈瘤が現われた例である.
安全のためには円靱帯静脈瘤は妊娠中も手術すればよいという見解を1952年の報告においては述べていたが,その後さほど大きくないものに対して十分なる注意のもとに分娩せしめることができるという意見になつた.ただ分娩時静脈瘤の破裂に際して直ちに手術出来る様準備することが必要である.また円靱帯静脈瘤は稀れとされているが精査すれば,妊婦にはかなりの頻度において見られるのではないかと考えるようになつた.妊婦検診の際,歩行時等に鼠径部に痛みを訴える妊婦に対しては,必ず立位で診察することが必要であり,立位で検査することにより円靱帯静脈瘤はかなり多く発見できるのではないかと思われる.
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