Japanese
English
症例
レントゲン癌の1例
A Case of Skin Canser caused by X-Ray Radiation
永淵 一昭
1
,
石黒 淳一
1
,
三浦 武
1
Kazuaki NAGABUCHI
1
,
Juniti ISIGURO
1
,
Takeshi MIURA
1
1北海道大学医学部第二外科教室
1Department of 2nd Surgery, Hokkaido University, Faculty of Medicine
pp.857-860
発行日 1960年10月20日
Published Date 1960/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202662
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緒言
1895年RöntgenがX線を発見した翌年に,すでに放射線障害の第1例がみられた.けだしX線装置の不備,放射線に関する知識の不足によるものと思われるが,近年にいたるまで,少なからぬ犠牲者の例が報告されている1)2)3)4)5)6)7)8)9)10).最近,原爆や原子力事業の目覚しい発達や,人工放射性物質の応用の進展とともに,放射線障害に対する世人の注意が喚起せられ,放射線業務に従事する者の防禦法,放射線発生装置の改良などにより,放射線障害は非常に減少してきている.しかし,まだ一部には,放射線の取扱い方法,ならびに,その障害に関する十分な知識のない無資格者によつて,重大な危険を招いていることが珍らしくない.われわれも,最近数カ月の間に,4本の手指をつぎつぎと切断するのやむなきに到つた.レントゲン癌の1例を経験したので,ここに報告する.
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