特集 産婦人科手術のポイント
V.手術手技--婦人科
円靱帯静脈瘤の手術
前田 一雄
1
1鳥取大
pp.1000-1001
発行日 1975年12月10日
Published Date 1975/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205312
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妊婦,とくに初妊婦で鼠径部の腫瘍形成を訴え,外鼠径ヘルニアと誤りやすい疾患に円靱帯静脈瘤がある。しばしばヘルニアとして外科手術の対象となり,また静脈瘤と診断がついても疼痛などのために手術が必要なこともあつて,婦人科,産科および外科の各領域と関連して問題となる疾患である。
円靱帯静脈瘤は鼠径部,外鼠径輪開口付近で円靱帯付着部に生じ,円靱帯の静脈すなわち卵巣静脈の分枝,腹壁静脈の円靱帯との連絡枝および付近の外陰部静脈の一部によつて形成される。鼠径部に腫瘤を生じることが特徴的であるが,開腹してみても腹腔内の円靱帯に著明な静脈瘤形成は認められない2)。
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