新刊書紹介
—Markowitz,Archibold,Downie著—Experimental Surgery(実験外科学)
浜口 栄祐
1
1東京医歯大
pp.709
発行日 1960年8月20日
Published Date 1960/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202638
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動物実験手引きの種類は少なくないが,その多くは実験用動物の解剖,習性,飼育,繁殖などに関するもので,手術術式や手術手技に関する記載は全然ないか,あつても極く簡単で,申しわけに付け足した程度のものである.そのなかにあつてMarkowitzらのExperimental Sur-geryは常用実験動物における手術書であつて,特に各種の手術術式とその手技を詳細に記載している点では類書にその比を見ないものである.今回改版の第4版(1959)を手にしたので,旧版(第3版1954)と比較対照してみたところ,かなり書き改められていることが判つた.それは主として次のような点である.
旧版は32章851頁であるが,新版は35章931頁で,約10%増頁である,始めの32章の項目は旧版と殆んど変りがないが,そのうち第7章ではPhysiological Effects of Re-versal of Peristalsisの項目が加わつて胃腸の切除術や吻合術の種々の術式,小腸や大腸の広範囲切除術などの後の消化管運動の変化をレントゲン連続撮影で追究している.第21章移植術では各臓器組織の移植に関して特に筆を加え,新項目も加わつて一層詳しいものとなった.第26章心臓の手術は殆んど全く新しくなり,第28章自律神経系も随分加筆されている.新しく追加されたのは第33章前立腺,第34章冬眠および低体温法,第35章中枢神経系である.
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