今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈副腎〉
myelolipoma
宮本 幸夫
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.259
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100969
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myelolipoma(骨髄脂肪腫)は,脂肪と骨髄組織よりなる比較的稀な良性腫瘍とされるが,本来は新生物ではなく,副腎の血液洞中における細網内皮組織の限局性増殖から発生する細胞の蓄積を表す,ある種の小結節性病巣の誤称であり,実際は赤血球生成細胞または骨髄性細胞を含む骨髄巣である1)といわれている.超音波像では一般に,比較的内部エコーの均一な高輝度の腫瘤として描出されるが,腎上極に突出する血管筋脂肪腫との鑑別が時に問題となる(図1).腫瘤と腎実質との境界や,腎実質そのものが保たれているか否かが鑑別のポイントとなる.カラードプラ法では,乏血性腫瘤として描出されることが多いが,血管筋脂肪腫も一般に乏血性に描出されるため,同法による両者の鑑別は,しばしば困難である.
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