Japanese
English
薬剤
過剰侵襲に対する副腎皮質ホルモンの効果
Effect of Adrenal Hormone to Hyper Parasite
舘石 季
1
,
服部 保次
1
,
川島 康郎
1
Sue TATEISHI
1
,
Yasuji HATTORI
1
,
Yasuro KAWASHIMA
1
1湖西病院外科
pp.981-982
発行日 1959年9月20日
Published Date 1959/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202468
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- Abstract 文献概要
生物が外界からの急激な侵襲に対して表わす生体反応の病態生理は極めて複雑であつて未だ不明な点が多いが,この場合生体がホメオスタージスを維持せんとする努力は主として非特異的なストレス反応の形で表われ,下垂体副腎皮質系がその主役を演ずるものと考えられる.H.Selyeによれば生体は傷害ショックを受けると間もなく警告反応Alarm Reaktionと云う態度をとり,さらに下垂体副腎系の動員によつて最も抵抗を獲得した.Stage of Resistenceの状態に達する.しかるに侵襲が余りに激しく,生体の防衛反応がこれに応ずる暇のないとき,あるいは臓器の病変とか栄養障害といつた内部の悪条件が重なるとき.生体は急激な危険状態に陥るのである.この時下垂体副腎皮質系の中抗炎症ホルモンといわれるACTHとG-corticoidsが強力な防禦効果を発揮するのである.特にG-corticoidはCortisonよりさらにPredonisolon,methylpredonisolon,Triamcinolonと進歩した誘導体が合成され副作用の憂いなく臨床的に使用できる域に達した.われわれは最近過剰の侵襲によつて危期に陥つた2人の患者をプレドニンによつて起死回生せしめることができたので此処に報告したいと思う.
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