巻頭言
肺外科と下垂体副腎皮質系ホルモン
赤倉 一郎
1
1慶応義塾大学医学部
pp.363
発行日 1958年5月15日
Published Date 1958/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200624
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下垂体副腎皮質系ホルモンの使用に関しては,既に「厚生省の定める治療指針並に使用基準」にも一般的な記載があるが,副腎皮質ホルモンの特徴ともいうべき作用効果の多面性のために,その薬理作用の正確な把握が困難である。従つて,臨床的に適正な使用を期するには尚今後の研究と各症例毎の慎重な注意とを要するのが現状である。
それにもかかわらず下垂体副腎皮質系ホルモンの臨床的使用に関する一般的な関心の高まりは最近著しいものの一つであろう。殊に,本療法が副腎機能不全にたいする治療法としてよりも,その非特異的な作用による効果を期待する療法として用いられる場合が多いところに考えるべき点が少なくない。
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