Japanese
English
薬剤
前麻酔剤としてのヘキサミッドの使用経験
Hexamid as Premedicant
恩地 裕
1
,
荒木 竜一
1
,
岩井 浅二
1
YUTAKA ONCHI
1
1奈良医大整形外科
1Dept of Orthopedic Surgery Nara Prefectural Medical College
pp.806-812
発行日 1958年8月20日
Published Date 1958/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202228
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まえおき
術前の患者の全身状態を生理的状態に維持すると同時に,患者の精神的な術前準備をも行い,手術に対する不安感,恐怖感を最少限にくい止める事が出来たならば,前麻酔の目的は達し得たものと考えて良い.即ち,適切なる前麻酔をうけている患者は,手術場へ来た時には,肉体的にも精神的にも手術をうけるに最適の状態になつており,かゝる患者は,麻酔の導入も又極めて平滑に行われるわけである.
現在まで,モルヒネは前麻酔として欠くことの出来ないものゝ如く用いられて来たが,最近では,その使用に疑問が持たれて来た.モルヒネを用いておくと,呼吸中枢の炭酸ガス感受性が低下して,麻酔中炭酸ガス蓄積が起つても,之に対して呼吸反応が起らない事が,Eckenhoff, Helrick等により実験的に明かにされた.更にGreishei—merは,モルヒネを用いておくと,手術中血圧低下の起りやすい事を示している.
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