Japanese
English
術技
胃切除後の胃腸吻合について
Gastroenterostomies after gastrectom
大井 実
1
,
三穂 乙実
1
,
草深 忠雄
1
1東京慈恵会医科大学大井外科
pp.661-686
発行日 1958年7月20日
Published Date 1958/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407202213
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I.緒 言
われわれが現在胃切除術を行うにあたつて,まず直面するのは,胃が切除された後の胃腸吻合をいかなる形で行うか,という問題である.Péanによつて,1878年はじめて臨床的に幽門切除が行われて以来,この吻合形式が胃切除に附随する問題として重視され,Billroth第I法,第II法とよばれる術式をはじめとして,今日に至るまで,実に多くの術式が考案されている.現在われわれが,これらの諸術式について,いちいち実施を試みることは難しいが,これらの術式を整理し,その長所短所を比較検討してみることは,各自が慣用している術式を正しく理解する上に,少なからず参考になるものと思う.
胃切除に関する動物実験については,前世紀の初めにフィラデルフィアにおいて行われていることが,D. Merrem1)(1810)によつて報告されている.また,Merrem自身(1810)も犬について幽門切除を行つている.GüssenbauerおよびWiniwarter2)(1876),Kaiser(1876)等も幽門切除の実験を行つているし,そのほかにもたくさんの実験者がいた.
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