増刊号特集 泌尿器科外来診療—私はこうしている
Ⅱ.外来検査法のポイント
腹部単純撮影検査,静脈性尿路造影検査,逆行性腎孟造影検査
冨田 善彦
1
Yoshihiko Tomita
1
1新潟大学医学部泌尿器科
pp.75-81
発行日 2000年3月30日
Published Date 2000/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413902895
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1 はじめに
これまで腹部単純撮影(いわゆるKUB)と排泄性尿路造影(intravenous urography:IVU)は,泌尿器科一般診療において中心的な検査であった。最近ではエコー,CT,MRIといった他の画像診断装置が普及し,ある程度の規模の総合病院になると依頼用紙を1枚書けば放射線診断医による読影によりレポートが返ってくるといった状況も生まれつつあり,KUB,IVUがルーチンのように行われることは少なくなってきているように思う。しかし,依然として,腹部単純撮影とIVUにより得られる情報には,他の両像診断法では得難いものがあり,泌尿器科医にとっては不可欠の検査といってよい。
また,逆行性腎孟造影(尿路造影)(retrograde pyelography:RP)は,IVUと同様に上部尿路疾患の診断,特にIVUによる描出不良の際やヨードアレルギーの症例には頻回に行われた検査であるが,最近では細径尿管鏡の開発と普及により,その施行頻度は少なくなった。しかし,女性では無麻酔で,男性では仙骨麻酔のみでも施行でき,尿管鏡による検査よりも侵襲が少ないこと,通常,外来診療に用いられる膀胱尿道鏡と尿管カテーテルがあれば行えることもあり,依然として有用かつ必要な検査である。
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