Japanese
English
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結核性膿胸に対する肋膜剥皮術(Decortication)の経驗
Experience of Pleural Decortication Procedure Aganst Tuberculous Pyothoras
道躰 祐二郞
1,2
DŌTAI Yŭjiro
1,2
1國立神奈川療養所
2慶大醫學部外科
1Surgery of Keio-Gijiku Univ.
pp.122-125
発行日 1951年3月20日
Published Date 1951/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200781
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はしがき
肋膜剥皮術は始めDelormeによつて陳旧性膿胸の治療に用いられたが,時に危險や手術後の合併症を伴うことがあり1920年の独逸外科学会に於てはSauerbruch教授等の反対する所となつた.米國に於ては1921年にGurdにより25例の陳旧性膿胸に対し本術式を行つた報告があり,其の後第二次大戦中は慢性の外傷性血胸と膿胸の治療に應用し1946年の米國胸部外科学会で其の成績が報告された.更にGurd1)等により結核性膿胸に対しても本術式が有効である事が始めて主張された.1948年の同学会では,結核性膿胸及び人工気胸によつて生じた膨張不能の肺に対する症例が相次いで報告討論され2,3,4),之等結核性疾患に対する本術式の價値は新に注目されるに至つた.
私は結核性膿胸の手術を行うに当り偶々其の3例に肋膜剥皮術を試みたが,3例共に手術所見を異にし興昧ある点もあつたので,敢えて乏しい経驗を述べ御批判御教示を仰ぎ度いと思う.
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