Japanese
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綜説
大腿義肢の新しい問題サクションソケットに就て
A New Problem of Artificial Limb of Femoral Using A Saction Socket: AMAJI Tamikazu and DOMEN Hisashi
天兒 民和
1
,
道免 久士
1
1九州大學
pp.423-426
発行日 1952年9月20日
Published Date 1952/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201080
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第一次世界大戰に於て義肢は著しく進歩し,殊に其理論方面には多くの貴重なる業績があり,本日之に追加し得るところは必ずしも多くはない.第二次世界大戰にても多くの義肢を生んだが実際的なる問題が多く,眞に便利な義肢を求めて各國共に夫々の努力が拂われている.我國にても戰時中可なり進歩を見,戰前の低調を打破し,小倉職業補導所にては神中,稗田両氏の研究を中心として幾多の貢献するところがあつたが,敗戰と共に之等の成果は全く顧慮せられず今日に至り,最近漸次外國の事情が日本に傳わると共に再び義肢に対する関心が高りつゝあることは,戰後も新潟医大に於て北川敏夫と共に此方面に於て努力して来た天兒にとつては大きな悦びでもある.然し反面無批判的に外國の義肢を受入れんとする最近一部の実情を憂慮するものでもある.
戰後我國に傳えられたる新しき義肢としては先ず第1にSuction Socketを挙げねばならないだろう.然し最近Suction Socketの優秀性のみが強調せられて,このものの持つ美点と欠点とを公平に論じられないのは遺憾である.最近北川がSuction Socketを完成し,余等も又其経驗を得たるを以て此処に其経驗と共に主として米國に於ける戰後7年間の研究成果を加えて本論文を公表することにした.
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