Japanese
English
症例
腹壁切開により治癒せしめた腸チフスの穿孔性汎発性腹膜炎の一例
Onecase of Perforationperitonitis by Typhoid Fever, that was Healed by the Incision of Abdominal Wall
弘中 満
1
,
松久 安雄
1
Mitsuru HIRONAKA
1
,
Yasuo MATUHISA
1
1愛媛縣新居濱市別子病院外科
pp.353-354
発行日 1952年7月20日
Published Date 1952/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201056
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腸チフスの経過中勃発する危險な合併症として潰瘍部穿孔による急性汎発性腹膜炎があるが,之を放置すれば死を招き,外科的手術を施しても尚その死亡率は70〜80%の高率を示す.この外科的手術は腸切除,腸瘻形成,少くとも穿孔部の縫合閉鎖を行い辛じて生命を取り止め得るもので,穿孔部発見困難な時は腹腔のドレナージ或はタンポン挿入で満足しなければならないが,その予後は絶対不良と考えられていたが,吾々は斯る患者に止むを得ず腹壁切開のみを加え,クロロマイセチンを投與し治癒せしめた1例を経験したので諸賢の御参考に供したい.
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