病気のはなし
腸チフス・パラチフス
冨尾 淳
1
,
大西 健児
2
1前東京都立墨東病院救命救急センター
2東京都立墨東病院感染症科
pp.1352-1355
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101640
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新しい知見
腸チフス・パラチフスの治療薬としては,従来クロラムフェニコール(CP),アンピシリン(ABPC),ST合剤などが主流であったが,近年これらの薬剤に耐性を示す多剤耐性菌が高頻度に出現している.現在,これらの多剤耐性菌にも効果を示すニューキノロン系抗菌薬が第一選択薬とされている.しかし,この数年,ニューキノロン系抗菌薬が十分な治療効果を示さない,ニューキノロン低感受性菌が出現し,臨床の現場で問題となっている.このような耐性菌出現の流れに伴い,腸チフス・パラチフスの治療はこれまでの「できるだけ早期にニューキノロン系抗菌薬を投与する」という姿勢から,「薬剤感受性を確認したうえで,適切な抗菌薬を使用する」という姿勢に変わりつつある.
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