最近の外國外科
肺結核に対する肺切除と胸廓整形手術とを同時施行した成績,他
W. S. Conklin et al.
pp.312-314
発行日 1952年6月20日
Published Date 1952/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201046
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著者たちは38名の年令15〜57歳の肺結核患者に対して肺切除と胸廓成形手術とを同時に施した,これ等の患者の大部分は病変が相当進んだ両側肺結核患者で,約3分の2は既に肺虚脱療法も受けておつた.手術としては38名中6名には片側全肺切除,29名には上葉切除,12名には区域肺切除のみ或はこれに肺葉切除を合併したものを施した.上葉切除及び胸廓成形術を施した32名中で術後死亡者は1名あつた.又片側全肺切除及び胸廓成形術を施した6名には術後死亡者は1名もなかつた.
術後の胸膜気管枝痩形成は2名にあつた.又1名は術後早期書反対側の上葉に結核病変の蔓延を来たしたが,それは抗生物質剤療法で迅速に好轉した.1名の肋膜及び肺臟を全く切除した患者には左側喉頭の反回神経麻痺が起つた.しかし,この2つの手術を同時に合併して施しても概して患者はその手術書よく堪える樣であり,又術後の合併症発生の頻慶も大ではなかつた.著者たちの症例の追求調査は遠隔成績を決定する程の長い期間に至つてないが,27名の生存患者に就てその術後の短期成績は極めて顯著であつた.1名喀痰中に菌陽性のものがあつたが,これは術前から存在した他側の肺の病巣に起因するものであつた.36名(95%)には喀痰中の菌は陰性で,疾患全治の可能性がある樣であつた.
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