Japanese
English
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急性腹膜炎時のアミノ酸の利用價値並びに心臓及び呼吸に及ぼす影響に就て
Utilization of"Amino Acids"in Acute Peritonitis, and their Effects upon Cardiac and Respir atory Mechanisms
富井 直英
1
,
富田 勝已
1
,
根本 浩介
1
Masahide TOMII
1
,
Katsumi TOMITA
1
,
Kosuke NEMOTO
1
1京都府立醫科大學横田外科教室
1Surgery of Kyoto Furitsu Medical College
pp.65-68
発行日 1952年2月20日
Published Date 1952/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200970
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緒言
火傷骨折手術等により蛋白代謝が傷害に比例して異常に昂進するは衆知の事実であり之は1929年Cuthber—son1)が骨折により尿中窒素の増量するを認め此の現象は異常刺戟に反應する生体の警戒反應状態でこれは其の際見られる窒素代謝昂進と副腎ホルモンの作用に因るものであると説明している.其の後蛋白代謝に関する生理学的報告は枚挙に暇なきも臨床方面に於ては1940年El.man2)がカゼインの酵素分解物を入体の非経口的栄養に用い其の際血清蛋白形成及び窒素平衡が認められてよりカゼインが広く各疾患に應用されるに到つた.而し之等の低蛋白血症を呈する疾患に対するアミノ酸の應用は栄養失調に於ける如く其の補給療法的意義のみに止り甚だ普遍的なものである.我々は広汎性化膿性腹膜炎症例に非経口的に綜合アミノ酸製剤を用いた処他の腸運動亢進剤又は抗菌剤を用うるよりも好結果を得たのに着目し其の補給したアミノ酸が腹膜炎時の低蛋白血症状及びMi—llerの述べる処の血清蛋白低下時に於ける毒性に対する抵抗力減弱を恢復する事のみにより重篤症状を好轉せしめ得たるやの疑義を抱き其の死因たる腸管運動及び血圧に如何に作用するやを簡明すべく次の実験を試みた.
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