Japanese
English
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異物殊に針等の摘出時の指標に就いて
Exstirpation of the Needle
中根 英夫
1
Hideo NAKANE
1
1札幌市北辰病院外科
1Hokushin Hospital, Sapporo
pp.360
発行日 1951年8月20日
Published Date 1951/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200866
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- Abstract 文献概要
外科医ならずとも日常診療に際して,異物(以下一般軟部組織殊に四肢軟部に於ける異物を云う)特に注射針,縫針等の迷入した症例に遭遇する事は少くない.斯る場合,時に予期以上に摘出に困難を感ずる場合が少くない.殊に迷入場所が比較的浅く且つ外部から触れない様な場合に誤つて深く診断する事が多いように思う.同様な事は戰時中,小彈片等の摘出時に体驗した.
異物摘出に於て所謂必要にして充分な切開をなす事が大切で,先ずレ線写眞によつて異物の迷入局所に対する立体的位置を正確に定める事が第一條件である.それには正確な指標を與える事が第一條件である.今日一般に長針2本を指標に用いて互に直角の二方向のレンドゲン線撮影をなして切開の指標としている.然し時には迷入した異物は—特に針では—予想以上に移動している事があり,又從来の方法では皮膚面よりの深さが誤診され易い憾みがあり,無駄な切開をなす事が少くない.指標針を位置,深さ等を変えて多数用いればよいわけではあるが繁雜さや患者の苦痛などの点から自然制限される。又レ線透視により指標を迷入異物に成るべく近くおくのが有効であるが,時には透視で明確に像を認めない様な細い注射針が迷入している場合もある.
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