外科と生化学
その2
吉川 春壽
1
1東京大學助教授生化學教室
pp.145
発行日 1951年3月20日
Published Date 1951/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200788
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外科でしばしば遭遇し,生化学的にいろいろの問題を提供するのは,前回に述べたように,ショックであろう.外傷によるショック,火傷によるショック,大手術後のショック,といろいろの原因はあるが,ショックに共通の生化学的変化というものがあつて,之をよく理解することが,ショックの防止乃至治療に大きな助けになると思う.
ショックの原発的な基本障碍として発現するのは靜脈血還流の量が激滅し,したがつて有効循環血液量が減ずるという現象であるが,それにともなって種々の生化学的変化がおこり,之が特異な臨床所見の根底をなしている.
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