Japanese
English
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外科より觀た榮養失調症—(第3報)初期症状と寒冷昇壓試驗
Denutrition from the point of view of Surgery.3 rd report : Relation between Initial Symptomes and Increasing Test of Blood Pressure due to Cold
大村 泰男
1,2
,
西山 信雄
1
,
上野 良太
1
,
鹽川 優一
3
Yasuo Ōmura
1,2
,
Nobuo Nishiyama
1
,
Ryota Ueno
1
,
Yūichi Shiokawa
3
1東京都養育院附屬病院外科
2東大醫學部
3東大醫學部佐々内科
pp.106-109
発行日 1949年3月20日
Published Date 1949/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200429
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私共の檢査材料は榮養失調症と云つてよいか。良いとすれば如何なる程度であるかを,先づもつて考慮して置くことが本問題に入る前に必要なことである。
戰時中わが海軍に於ては榮養失調症例を解剖すると殆どマラリア症であり,アメーバ赤痢,或いは結核症であつたとかで榮失症を獨立した疾患と認めない傾向であつたと洩れ承つている。私共の同症例を解剖してみると,マラリア,或いはアメーバ赤痢は勿論見出し得ないが,結核,肺炎,敗血症等の疾患が併發している者は相當數に存在する。然し榮失症と診斷する以外に何等他の所見のない者が確にある。肺結核,腸寄生虫が榮失症を惹起する一つの大きい要因をなすと考えれば,これらの疾患を別個に,無關係に取り扱ふ可きではないし,死亡の最後の原因をなした肺炎,敗血症も榮失症の基礎の上に比較的容易に發症したと解釋することによつて確かなつながりのあるものである。數年來,榮失症と取組んでいる私共は同症を獨立した疾患となし,他疾病との關係を原因として,或いは結果として持つものであると考へるに至つている。
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