Japanese
English
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特發性小腸間膜膿瘍に就て
On the Spontaneous Mesentercal Abscess
石井 堯典
1
,
西村 明子
1
Takasuke ISHII
1
,
Akiko NISHIMURA
1
1廣島醫科大學外科教室
1The Hiroshima Medical School.
pp.79-81
発行日 1950年2月20日
Published Date 1950/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200594
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I. 緒言
腸間膜膿瘍は比較的稀有な疾患であつて,殊にその臨床診断に於ては困難なものである.
この疾患の原因としてわ急性虫垂炎,腸蜂窩織炎による腸間膜蜂窩織炎,化膿性栓塞,腸間膜嚢腫の二次的細菌感染,或は結核,腸チフスの経過中に於ける腸間膜淋巴腺炎等が挙げられ,その報告が散見される. この他に原発病竈不明の腸間膜膿瘍,即ち特発性急性腸間膜膿瘍があり,本邦に於ても田島,宮城,根来,古谷,鍋島,合屋,飛田等の諸氏の報告がある. 私は最近原発病竈として認むべき疾患もなく,術前腸重積症を思わせる症状の,特発性小腸間膜膿瘍の1例を経驗したので,茲にその経過の大要を報告し諸賢の御教示を仰ぎたいと思う.
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