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腓骨小頭裂離骨折の1例
木村 元吉
1
1東京遞信病院整形外科
pp.198-200
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200327
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腓骨小頭の裂離骨折は,その折片轉位像に於て特有である。すなはち,圖に示す様に,腓骨小頭の上部折片は,恰も帽子が旋風に吹き上げられた如き形で遙か上方に轉位離隔し,X線冩眞を見ただけでは,その折片が果して何れより飛來したか,了解に苦しむ場合がある。これは當然,この部に附着する二頭股筋の收縮による縦隔轉位であるが,同時に本骨折の發生には通常腓側々副靱帶が關與してゐるものと考へられてゐる。この様な腓骨小頭裂離骨折は極めて稀に見るもので,現在までに僅か數例の報告を見るのみに過ぎない。吾々は最近當遞信病院整形外科に於て,この腓骨小頭裂離骨折の例を經驗したので,これを報告し,その成因過程につき考察を加へてみたいと思ふ。
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