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橈骨神經麻痺に對する腱成形手術
渡部 滿保
1
1國立岡山病院
pp.200-202
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200328
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緒言
橈骨神經損者に依る麻痺に對する治療の原則は,他の末梢神經に於けると同様に,神經自身に對する手術を行ふのであるが,その手術成績は神經手術中比較的良好ではあるけれ共,尚治癒率は60%(Stoffel,Perthes),75%(Spitzy),或は中村愛助氏によるも治癒55%,良好28%である。この成績不良群に對して殘された方法は補助器の装着と關節固定術と腱成形手術である。この中前二者は下垂手の防止を目的とするもので,機能的に良好な結果を得難いが後者は力源筋の條件さへよければ驚くべき良好な機能的治癒を營ましめる事が出來るのである。本題に關しては日本整形外科學會雜誌18卷12號に川本薫氏の9例に就て詳細な報告がみる。私は僅か1例ではあるが,戰傷に依る橈骨紳經麻痺に對し腱成形術を試み,やゝ滿足すべき結果を得たので,茲に報告し諸賢の御教示を御願ひする次第である。
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