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脊椎カリエスに對する固定・反張・矯正と負荷の問題
石原 佑
1
1東京警察病院整形外科
pp.174-179
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200319
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著者は當臨牀外科を通じて2囘に互り「脊椎カリエスの豫後判定に就て」と「脊椎カリエスとコルセツト」と題し脊椎カリエスの經過,治療上の根本問題の一部に觸れ卑見を述べた。此等は總べて著者が年來主張する脊椎カリエスの諸問題に關する要再檢討の表はれの一端である。古來脊椎カリエスに關し幾多の研究業績が發表されて居るが,その一部は根本に触れず,他の一部は未解決であり,又他の一部は金科玉條の如く考えられて居て,而も考究すれば誤謬として改善さるべきものがある。
脊椎カリエス(特に椎體カリエス)の豫後の判定に就ては諸種の理化學的,免疫學的,其他の檢査の重要性は何れも高く評價せらるべきであるが,此等を參考とした上に於て,「レ線冩眞の讀み」が極めて重要な役割を演ずる事を強調した。著者は更にカリエスを數群の特徴に分類し,且豫後がレ線像の讀みによつて比較的早期に推定可能である事を確認し,向治性,非向治性の分割によって治療方針の撰擇に資し得た。更にコルセツトに就ては,其装用期間と前述のレ線冩眞による讀みと豫後判定の基準とを綜合して,コルセツトの應用態度にある規範を求め得たものと信ずる。
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