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穿孔性蟲垂切除に際し斷端閉鎖は必要か
槇 哲夫
1
,
柿崎 長藏
1
1秋田女子醫學專門學校外科
pp.179-181
発行日 1948年5月20日
Published Date 1948/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200320
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緒言
蟲垂手術に際し近時適應の撰擇と手技の一般的向上とによつて,術後の糞瘻形成は甚だ稀となつたが,それでも尚重要な後貽症の一たるを失はない。之は癒著剥離や斷端處理に際し,脆弱に陥つた腸壁に無益の損傷を加へることに原因することが多い,殊に蟲垂が根部で穿孔し,而も盲腸壁に高度の炎症波及がある場合,切除蟲垂の斷端閉鎖に非常な困難を感じ且之を敢て行ふ際却て腸壁を損傷し,糞瘻形成の因をなすことは屡々經驗する所である。斯る場合蟲垂を根部にて切り放し,斷端を結紮或縫合せずに放置すれば如何。即ちそれによつて容易に糞瘻を貽すものかどうか。又腹膜炎及手術創の治癒經過に如何なる影響を與へるものであるか。蟲垂炎の手術手技に關しては既に論じ盡された觀があるが,我々は之等の點を檢討する爲次の様な小實驗を試みた。
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