増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅲ 術式別の術前・術中・術後管理
1.食道
胸部食道癌
阿久津 泰典
1
,
松原 久裕
1
Yasunori AKUTSU
1
1千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
pp.91-94
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200096
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最近の知見と重要ポイント
□胸部食道癌の手術は,頸部,胸部,腹部と手術操作範囲が広いため,消化器癌手術のなかでも最も侵襲が大きい手術の一つである.呼吸器合併症や嚥下機能の障害を容易にきたしやすく,ひとたび合併症が起きると致命的となることも少なくない.
□ERAS実践に関しては,胸部食道癌手術の場合はバリアンスが多いため必ずしも定型的な管理ができるわけではないが,ERASにもとづく周術期管理がいくつか取り入れられている.たとえば,術前術後に絶食は半ば常識であったが,最近では絶食期間を可能な限り短縮した管理が行われている.また,術前口腔ケア,クリニカルパスの導入,NST(nutrition support team)の介入,術中術後のステロイドの使用が取り入れられ,実臨床に活かされている.
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