増刊号 ERAS時代の周術期管理マニュアル
Ⅲ 術式別の術前・術中・術後管理
5.胆道・胆囊
胆囊癌
松山 隆生
1
,
森 隆太郎
1
,
熊本 宜文
1
,
武田 和永
1
,
遠藤 格
1
Ryusei MATSUYAMA
1
1横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科学
pp.181-184
発行日 2014年10月22日
Published Date 2014/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200026
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最近の知見と重要ポイント
□教室の治療方針では術前診断T3以上の深達度(肝床浸潤,肝十二指腸間膜浸潤,他臓器浸潤)をもつ症例に対しては積極的に術前化学療法を行っている.
□術前化学療法の期間は3か月であり,術前化学療法時には少なからず経口摂取不良となるため栄養サポートとしてn-3系脂肪酸を含む経口半消化態栄養剤を1日400 mL摂取してもらっている.
□術前化学療法の期間中は閉塞性黄疸を認める症例では胆道ドレナージチューブが必須である.胆管炎の発生ではENBDチューブに劣るものの,胆汁酸循環,術前のADL低下を予防する目的としてERBDチューブを用いた内瘻化を基本としている.
□ERBD閉塞による胆管炎発生は術前化学療法の施行率を下げる原因となるので,日頃より消化器内科と十分にコミュニケーションをとり,胆道系酵素などの上昇から胆道炎発生が予想される場合にはチューブ交換を迅速に行っている.
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