Japanese
English
臨床報告
腹腔内膿瘍を合併した胆囊結腸瘻の1例
A case of a cholecystocolic fistula accompanied with an intraperitoneal abscess
鈴木 崇之
1
,
鈴木 大亮
1
,
清水 宏明
1
,
宮崎 勝
1
Takayuki SUZUKI
1
1千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学
キーワード:
胆囊結腸瘻
,
腹腔内膿瘍
,
PTGBD
Keyword:
胆囊結腸瘻
,
腹腔内膿瘍
,
PTGBD
pp.1249-1253
発行日 2014年10月20日
Published Date 2014/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105222
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要旨
症例は83歳,男性.当院消化器内科で総胆管結石に対し内視鏡的切石術施行後,本人が胆摘を希望せず経過観察となっていた.その2年後に,急性胆囊炎を発症して当科へ入院となり,緊急でPTGBDを施行した.留置8日後にPTGBD造影を行ったところ胆囊から横行結腸への瘻孔が描出され,胆囊結腸瘻の診断となった.PTGBD留置後も発熱が続くため,胆道精査も兼ねてDIC-CTを撮影したところ,肝S6の尾側に膿瘍形成を認めたため穿刺ドレナージを行った.最終的に開腹胆摘,横行結腸部分切除術を施行し,術後経過良好にて術後11日目に退院となった.胆囊結腸瘻の本邦報告54例の集計を行ったところ,膿瘍を合併した症例は8例であり,高齢者や全身合併症のある患者に多く認められた.肝床部胆囊周囲膿瘍を伴う急性胆囊炎に対しPTGBDを施行し,ドレナージ後も発熱が続く場合は,腹腔内膿瘍形成の可能性も念頭に置く必要があると考えられた.
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