FOCUS
バーチャル・リアリティ手術シミュレータの現状―手術訓練にどこまで使える? 有効な利用法
藤原 道隆
1,2
,
田中 千恵
2
,
岩田 直樹
2
,
丹羽 由紀子
2
,
小寺 泰弘
2
,
平川 仁尚
1
,
植村 和正
1
Michitaka FUJIWARA
1,2
1名古屋大学大学院医学系研究科附属クリニカルシミュレーションセンター
2名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.972-980
発行日 2014年8月20日
Published Date 2014/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105148
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はじめに
医学教育において,シミュレーションは以前から導入されているが,外科分野では,1990年代から内視鏡下手術が発展し,従来の手術スキルに加えて新たに必要になったeye-hand coordinationなどの技術に対する訓練が必要となり,ボックス・トレーナーや動物を使用したoff the jobのシミュレーション・トレーニング法が開発された.ブタを用いた訓練が多く行われてきたが,欧米では動物愛護の問題から縮小傾向である.こうした中でコンピュータの性能向上やIT技術の発展があり,バーチャル・リアリティ(VR)技術を用いた内視鏡外科手術用のシミュレータがいくつか実用化された.VR外科手術シミュレータには当初から大きな期待が寄せられ,最近もさらに新製品の開発が続いている.今,VR手術シミュレータがどのように使用され,どのような場面で有用であるかについて述べる.
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