昨日の患者
家族の絆
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.667
発行日 2014年6月20日
Published Date 2014/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407105093
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- 文献概要
30年近くも同じ病院に勤務していると,同一患者さんに2回,3回と手術をしたり,患者さんの伴侶,子供,さらには孫まで手術することがある.そのたびに医療を介して,それぞれの家庭の実情や絆を垣間見る.
70歳代前半のTさんは10年ほど前に,胃癌で手術をした.術後に癒着性腸閉塞となり,癒着剝離術を行った.さらにはお酒好きが高じて慢性膵炎となり,しばしば入退院を繰り返した.また奥さんは乳癌,娘さんは急性胆囊炎,息子さんは急性虫垂炎で,さらにお孫さんは鼠径ヘルニアで手術を行った.そのたびにTさん一家が集まり,睦まじく家族の介護をした.
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