グラビア
女性12章—絆
pp.105-107
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914551
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
子はかすがい なんて落語にもある。子どもは夫婦の愛を結ぶ大事なお宝だったというほほえましいお話なんだが,はたしてそうか。ちょっとハスっかいにながめてみれば,お家大事の思想教育訓話ととれぬこともない,そのためにクソ面白くもないのにくっついてなきゃならないというリアルな現実があったような気がしないでもなし,くい込んだカスガイの痛みに耐えかねて…といった女の恨みつらみも聞こえてこようというものではあるまいか。そこで,戦後民主主義,両性の合意に基いてなどと,いささか味もそっ気もないことになりはしたけれど,カスガイなんて代物を持ち出さずにすみそうな気配…と思いきや,そうはいかないんだなー。この古めかしい代物,いささか置き場にこまるという予想だにせぬ事態になつてきた。そうそう思惑通りに事が運ばぬのは,競馬の予想ならぬ世の常なんだけど,それにしても,チッポケなカギひとつ持たされて,いささか心細いことになってきたんだ,これが。いや,カギひとつでも持ってりゃいいさ,闇から闇,人ぞ知る公然のスキャンダルでほうむられた同胞はどうなるっていうのサ。つまるところ,ガキどもが物義のタネという事情は,今も昔もあまり変ってないんだよねえ?
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.