FOCUS
画像上,完全に見えなくなった肝腫瘍に対する肝切除法―リアルタイム・バーチャル超音波装置とインドシアニングリーン蛍光法による手術ナビゲーション
粕谷 和彦
1
,
石崎 哲央
1
,
永川 裕一
1
,
勝又 健次
1
,
土田 明彦
1
Kazuhiko KASUYA
1
1東京医科大学外科学第三講座
pp.232-240
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104960
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はじめに
近年,CTやMRIの画像精度の急速な進歩により,小さなサイズの肝癌や肝転移巣の描出が可能となった.また,第二世代の造影剤であるソナゾイド®を用いた体外超音波検査でも,より小さな肝腫瘍の描出が容易になった1~3).一方,このような小さなサイズの腫瘍は化学療法の著効により,画像上の完全消失,すなわちクリニカル・コンプリート・レスポンス(clinical complete response:以下,クリニカルCR)を示すことも報告されている4,5).それらクリニカルCR腫瘍は,たとえ術中造影超音波を用いても,その描出に難渋することがある.本稿では,クリニカルCR腫瘍に対し,リアルタイム・バーチャル超音波(real-time virtual sonography:以下,バーチャル超音波)装置と,インドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)蛍光法を用いた肝切除法を考案したので紹介する6~8).
なお,本手技の臨床応用は本学倫理委員会の承認を得ており,事前に患者および家族に説明し承諾を得たのち,本手技を施行している.
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