特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
1.診断に必要な基本技術
眼底検査
インドシアニングリーン蛍光眼底造影
福島 敦樹
1
1高知医科大学眼科学教室
pp.87-91
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907034
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インドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)蛍光眼底造影(indocyanine green angio-graphy:IA)は1980年代後半に眼科領域に応用され始めた比較的新しい検査法である。ICGはそのほとんどが血漿蛋白と結合するため脈絡膜毛細管板からの漏出が遅く,脈絡膜循環を長時間にわたり観察できる。そのため,IAはフルオレセイン蛍光眼底造影(fluorescein angiography:FAG)では検出できなかった脈絡膜レベルの変化を捉えることができ,さまざまな疾患の病態を理解する上で多くの情報を提供しつつある。しかし,実際の診療においては,IAのみで診断することは難しく,FAG所見と対比することが重要である。本稿ではIA異常所見を説明し,IAが診断に役立っ疾患についてFAGと対比しつつIA所見を概説し,病態の解釈における有用性について述べる。
紙面の都合上,IA写真は割愛するので,他書を参照されたい(文末の文献)。
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