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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ!
消化器外科手術
テーマ5◆胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対する術式
胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対する術式:「分流手術」の立場から
The effectiveness of excision of the extrahepatic biliary tract with biliary reconstruction
岩橋 衆一
1,3
,
森根 裕二
1,3
,
宇都宮 徹
1,3
,
居村 暁
1,3
,
池本 哲也
1,3
,
森 大樹
2,3
,
高須 千絵
1,3
,
矢田 圭吾
2,3
,
石橋 広樹
2,3
,
島田 光生
1,3
Shuichi IWAHASHI
1,3
1徳島大学病院消化器・移植外科
2徳島大学病院小児外科・小児内視鏡外科
3日本膵・胆管合流異常研究会事務局
pp.182-186
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104947
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①「分流手術」を選択するメリット
日本膵・胆管合流異常研究会からの報告では,胆道癌の合併頻度は非拡張型・成人が42.4%であり,人口動態統計を考慮すると約3,000倍の高危険率となる.合流異常における胆道粘膜上皮遺伝子発現においては,K-ras遺伝子・p53遺伝子異常が報告され,合流異常における胆道粘膜上皮は胆囊・胆管ともに癌発生母地であると考えられる.
②デメリットとそれに対する対処法・考え方
分流手術の術後合併症には縫合不全があり,炎症が持続している状態での手術施行は吻合部狭窄のリスクにも関与する.肝内結石は吻合部狭窄や肝内胆管狭窄における反復する感染により発生し,その解決のために肝切除を選択することも考慮される.
また,分流手術後にも遺残胆管での発癌の可能性,あるいは肝内胆管での発癌の可能性は残り,手術手技の工夫・術後長期にわたるフォローアップが必要である.
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