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特集 ディベート★消化器・一般外科手術―選ぶのはどっちだ!
消化器外科手術
テーマ5◆胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対する術式
胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対する術式:「胆摘のみ」の立場から
The choice of treatment for patients with pancreaticobiliary maljunction without bile duct dilatation:prophylactic cholecystectomy without bile duct resection
大内田 次郎
1
,
千々岩 一男
1
Jiro OHUCHIDA
1
1宮崎大学医学部腫瘍機能制御外科学
pp.178-181
発行日 2014年2月20日
Published Date 2014/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104946
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膵・胆管合流異常では,逆流した膵液が胆汁と混和することにより惹起される持続性の慢性炎症が発癌の原因であることが推測されている.しかし,このような慢性炎症が長期持続するためには,膵液と混和した胆汁が胆道内に一定時間停滞する必要があり,胆管非拡張型の場合は胆管ではなく胆囊に高率に癌が発生するものと考えられる.自験例の胆管非拡張型44例の検討では,胆管癌の合併は1例もなく,胆囊癌や膵癌を合併していなかった19例の胆囊摘出後平均9.3±4.7年の経過観察中に胆管癌の発生は1例も認めなかった.
以上の結果よりわれわれは,胆管非拡張型膵・胆管合流異常に対して肝外胆管切除は不要と判断し,胆囊摘出術のみを行っている.膵・胆管合流異常では診断されていない症例も多数存在するため,診断技術の進歩による症例の拾い上げや蓄積が必要であり,それらを再検討していくことで,エビデンスに基づいた治療方針の統一が望まれる.
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