特集 術前画像診断のポイントと術中解剖認識
Ⅰ.食道
GERD―病態と手術適応
中島 康晃
1
,
河野 辰幸
1
,
川田 研郎
1
,
東海林 裕
1
,
熊谷 洋一
1
,
永井 鑑
1
Yasuaki NAKAJIMA
1
1東京医科歯科大学医学部附属病院食道・胃外科
pp.35-44
発行日 2013年10月22日
Published Date 2013/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104784
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はじめに
わが国において,食生活の欧米化,国民の肥満の増加傾向,H. pylori感染率の低下などに伴い,近年,逆流性食道炎の罹患率は増加傾向にある.今後は萎縮性胃炎に対するH. pylori除菌の保険適用拡大や疾患概念の一般化を受けて,さらなる罹患率の上昇が予想される.
胃食道逆流症(GERD)による逆流性食道炎は,食道へと逆流した胃内容による食道粘膜の傷害であるが,その発生メカニズムは複雑であり,食道胃接合部の逆流防止機能不全に加え,食道体部や胃十二指腸の運動,分泌機能障害も関与する.そのため,その治療は胃内容の食道への逆流防止,逆流物と食道粘膜との接触時間短縮,あるいは逆流物の組織傷害性自体の低減が基本となる.
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