Japanese
English
臨床報告
横隔膜穿破により喀血を呈した慢性膵炎の1例
A case of chronic pancreatitis presenting with hemoptysis due to diaphragm perforation
石田 順造
1
,
岩佐 真
2
,
宗行 毅
2
,
保坂 誠
1
,
松島 康
1
,
冨田 隆
2
Junzo ISHIDA
1
1鈴鹿回生病院呼吸器外科
2鈴鹿回生病院外科
キーワード:
喀血
,
慢性膵炎
,
膵切除
Keyword:
喀血
,
慢性膵炎
,
膵切除
pp.739-743
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104620
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要旨
患者は55歳,男性.発熱の持続で当院内科を初診した.自己免疫疾患が疑われ,非ステロイド性消炎鎮痛薬が投与された.発熱は一時的に軽快したが,血痰が出現し当科を紹介された.精査中に大量喀血を認めた.病態把握に難渋したが,慢性膵炎急性増悪に伴う炎症が横隔膜を超えて肺内に波及し,喀血を呈したことが判明した.内科的な治療で喀血は速やかに軽快したが,血清アミラーゼ値の上昇が遷延したため,手術(膵体尾部切除+脾臓摘出+横隔膜穿孔部縫合)を行い軽快した.血痰,喀血は気道出血を示す徴候であるが,原因が特定されない場合は周囲臓器疾患からの2次的な症状の可能性についても検討する必要があると考えられた.
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