Japanese
English
臨床報告
腹腔鏡下に摘出した脾臓sclerosing angiomatoid nodular transformationの1例
Laparoscopic splenectomy for sclerosing angiomatoid nodular transformation of the spleen
高原 秀典
1
,
横山 正
1
,
安 炳九
1
,
杉山 朋大
1
,
田渕 幹康
1
,
神澤 真紀
2
Hidenori TAKAHARA
1
1赤穂市民病院外科
2神戸大学病院病理診断科
キーワード:
sclerosing angiomatoid nodular transformation
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
cord capillary hamartoma
Keyword:
sclerosing angiomatoid nodular transformation
,
腹腔鏡下脾臓摘出術
,
cord capillary hamartoma
pp.744-748
発行日 2013年6月20日
Published Date 2013/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104621
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨
症例は49歳,男性.2年前に粘膜下層浸潤の下部直腸癌に対し内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)をされた.経過観察CTにて増大傾向のある脾腫瘍を指摘された.自覚症状はなかったが悪性腫瘍を否定できなかったため,腹腔鏡下脾臓摘出術を行った.腫瘤は脾臓下極から突出性に発育した60×60×60 mm大であったが被膜外への露出は認めなかった.腫瘍の割面は境界明瞭な白色充実性であり,辺縁部で結節性の出血斑が散見された.CD31,CD34,CD8の免疫組織化学的検査にてsclerosing angiomatoid nodular transformation(SANT)と診断された.本疾患は非常に稀な脾腫瘤形成性疾患であり,貴重な症例であると考えられた.本疾患のように脾臓の腫瘤形成性疾患では,診断的治療として腹腔鏡下脾臓摘出術のよい適応と考えられた.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.