Japanese
English
臨床報告
腹部鈍的外傷後の遅発性腸間膜裂孔ヘルニアの1例
Delayed transmesenteric hernia after blunt abdominal trauma
鈴木 茂貴
1
,
唐崎 秀則
1
,
藤原 康博
1
,
松坂 俊
1
,
新居 利英
2
,
古川 博之
3
Shigetaka SUZUKI
1
1社会福祉法人北海道社会事業協会富良野病院外科
2深川市立病院外科
3旭川医科大学外科学講座消化器病態外科学分野
キーワード:
腹部鈍的外傷
,
腸間膜裂孔ヘルニア
,
イレウス
,
遅発性
,
腹腔鏡下手術
Keyword:
腹部鈍的外傷
,
腸間膜裂孔ヘルニア
,
イレウス
,
遅発性
,
腹腔鏡下手術
pp.621-624
発行日 2013年5月20日
Published Date 2013/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104583
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要旨
患者は24歳,女性.イレウスとの診断にて紹介され,入院となった.3年前に交通事故による腹部打撲,腹腔内出血に対して保存的治療を受けた既往があるが,開腹手術の既往はなかった.イレウス管による治療で症状は軽快せず,造影にて回腸の狭窄,途絶を認めたため手術を施行した.術中に回腸間膜裂孔への内ヘルニアを認め,腹腔鏡補助下にこれを解除し,裂孔を縫合閉鎖した.腹部鈍的外傷後に遅発性に発症するイレウスは,開腹歴のないイレウスの鑑別診断として念頭に置くべきである.症状が急速に悪化して腸管の壊死をきたす症例が報告されていることから,本疾患の臨床・画像的特徴を熟知し,手術の時期を適正に判断することが重要だと考えられた.
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