Japanese
English
臨床報告
多発胃転移をきたした直腸印環細胞癌の1例
A case of metastatic gastric cancer from rectal signet-ring cell carcinoma
畠 達夫
1
,
鶴田 好彦
1
,
髙森 繁
1
,
宍倉 有里
2
Tatsuo HATA
1
1千葉徳洲会病院外科
2千葉徳洲会病院病理科
キーワード:
直腸癌
,
印環細胞癌
,
胃転移
Keyword:
直腸癌
,
印環細胞癌
,
胃転移
pp.89-93
発行日 2013年1月20日
Published Date 2013/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104429
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要旨
患者は62歳,男性.直腸癌に対して腹会陰式直腸切断術を施行した.総合所見はRab,type 5,sig,pA,pN0,M0,pRM1,R1,CurB,StageⅡであった.術後にカペシタビンを6か月間内服したが,腫瘍マーカーが上昇傾向となったため全身精査を施行したところ,胃内に多発する粘膜下腫瘍を認め,生検で印環細胞癌が検出された.多発胃転移と診断し,FOLFIRI+ベバシズマブによる全身化学療法を開始した.いったん腫瘍マーカーは低下したが,その後,病状は急速に進行し,癌性腹膜炎で癌死した.文献的考察の結果では直腸原発の転移性胃腫瘍はきわめて稀で,その半数以上は印環細胞癌であった.予後はきわめて不良であり,胃切除による延命効果も明らかでなかった.
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