Japanese
English
臨床報告
遺残結紮糸が原因と考えられた腹腔内炎症性肉芽腫の1例
A case of intraperitoneal inflammatory granuloma due to suture retension
唐澤 幸彦
1
,
岡本 佳樹
1
,
寺本 淳
1
,
因藤 春秋
1
,
前場 隆志
1
Yukihiko KARASAWA
1
1社会保険栗林病院外科
キーワード:
炎症
,
肉芽腫
,
結紮糸
Keyword:
炎症
,
肉芽腫
,
結紮糸
pp.837-840
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104127
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要旨
症例は43歳,男性.約3年前に膵悪性内分泌腫瘍のため膵体尾部脾切除,胃後壁・結腸部分切除の既往があった.38℃以上の発熱と左上腹部痛,背部痛を主訴に入院した.CTでenhanceされる充実性部分とlow densityを示すcysticな部分の混在した径6cm大の腫瘤を認め,手術を施行した.Treitz靱帯付近で腫瘤と空腸,腸間膜が一塊となっており,同部を含め約50cmの空腸を切除した.病理検査ではabscessと肉芽形成を認め,内部に絹糸と思われる線維が確認された.腹腔内に生ずる肉芽腫はガーゼオーマや魚骨による報告が散見されるが,本例は結紮糸が原因となった稀な症例と考えられたので報告する.
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