Japanese
English
臨床報告
腹部手術後の周術期に発生した感染性肝囊胞の1例
A case of hepatic cyst infection which occurred in perioperative period after abdominal surgery
片岡 雅章
1
,
吉岡 茂
1
,
若月 一雄
1
,
外岡 亨
1
,
宮澤 康太郎
1
,
太枝 良夫
1
Masaaki KATAOKA
1
1千葉市立海浜病院外科
キーワード:
感染性肝囊胞
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
Keyword:
感染性肝囊胞
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
pp.833-836
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104126
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要旨
症例は80歳,男性.胆石症と総胆管結石症の診断で内視鏡的乳頭部切開術と総胆管結石除去術を行い,25日後に腹腔鏡下胆囊摘出術を施行した.術後3日目に心窩部痛と発熱をきたし,MRCPで遺残総胆管結石を認めたため,内視鏡的総胆管結石除去術を施行した.その後も38℃の発熱が続き,術後8日目に施行した腹部超音波とCTで,術前から指摘されていた肝囊胞の感染合併と判明し,経皮経肝囊胞ドレナージを施行した.ドレナージ後は症状は速やかに改善し,術後23日目に退院となった.感染性肝囊胞は比較的稀であるが,肝囊胞をもつ症例では術後周術期の発熱の原因として,肝囊胞の感染合併があることを知っておくことが早期診断に大切と考えられた.
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