特集 外科医のための最新癌薬物療法
Ⅰ章 臓器別薬物療法
3.食道癌―①術前療法
馬場 祥史
1
,
渡邊 雅之
1
,
小澄 敬祐
1
,
井田 智
1
,
長井 洋平
1
,
石本 崇胤
1
,
岩槻 政晃
1
,
岩上 志朗
1
,
坂本 快郎
1
,
宮本 裕士
1
,
馬場 秀夫
1
Yoshifumi BABA
1
1熊本大学大学院生命科学研究部消化器外科
pp.86-90
発行日 2011年10月22日
Published Date 2011/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
術前療法の適応とレジメンの選択
術前療法の適応
■cStage Ⅱ,Ⅲ(T4は除外)食道扁平上皮癌
食道癌に対する術前補助療法のメリットとしては,腫瘍縮小効果による根治性の向上,微小転移巣の制御による再発抑制,感受性試験としての意義などが挙げられる.また,手術で血管網が破綻する前,または手術侵襲が加わる前に投与できることによりdrug deliveryおよび完遂率の面でのbenefitも期待される.
JCOG9204およびJCOG9907の結果より,現時点でわが国における切除可能食道癌Stage Ⅱ,Ⅲ(T4は除外)に対する標準治療は,5-FU/シスプラチンによる術前化学療法2コース後+手術と考えられている.その他の病期(Ⅰ期,Ⅳ期やT4)に対する術前補助療法のエビデンスは示されていない.
Copyright © 2011, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.