1200字通信・26
鉄は熱いうちに鍛えよ―練習の勧め
板野 聡
1
1寺田病院外科
pp.617
発行日 2011年5月20日
Published Date 2011/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103548
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今年も何人もの外科医が誕生し,研修に励んでおられるものと期待しています.ただ,研修制度が変わってから,一体いつ外科医になったのかがわかりづらくなっているようですし,絶滅危惧種などと言われはじめた外科のことですので,案外少ないのかもしれないと心配しています.もっとも,希望者が少ないことは考えようでは「金の卵」であり,将来はさらに希少価値がでてくるわけで,外科医を目指す若手医師たちは頑張りがいがあるというものでしょう.
さて,そうした若手外科医諸兄にお願いしたいことがあります.それは,若いうちにしっかり練習をして欲しいということです.では,何を練習するかというと,まずは糸結びです.何を今さらと言われそうですが,自動吻合器や超音波凝固装置などの機器の進歩があるにせよ,糸結びこそが手で術をなすわれわれ外科医の基本であり,これまでに糸結びの下手な外科医で手術が上手いという先生はいないということを肝に銘じて欲しいのです.
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