連載 はっ!おやっ?ウーム…From MSW・11
熱い思い
村上 須賀子
1
1広島市立安佐市民病院
pp.763
発行日 1998年8月1日
Published Date 1998/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905649
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相談業務の中で「残念ですが,現状では無理ですねぇ」と患者さんとともにため息をつく場面のほうが多いです.こうしたため息は,できればつきたくないと思うものです.では,制度の改善に取り組むには何から始めるか.当院での訪問看護制度の立ち上げに,4年あまりかかわって,図のような流れを体験しました.
退院援助相談で「退院への基本的不安」は「明日から我が家で看護婦さんたちがやっているようにできるのかしら」ということです.病室で吸引方法や入浴介助方法を習って「ほら,大丈夫でしょ」と言われても,「家事もあるし,……狭い家では動きも悪いし…….私の身体のほうがこわれそうだわ…….」と不安はぬぐえません.「せめて退院直後の数週間だけでも訪問看護指導があればねぇ.……でもウチの病院には訪問看護制度はないのよ」と,私もため息をついていました.
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