Japanese
English
臨床報告
胸腺腫術後に発症したヘパリン起因性血小板減少症(HIT)の1例
A case of heparin-induced thrombocytopenia after thymoma resection
西野 豪志
1
,
谷田 信行
1
,
大西 一久
1
,
藤島 則明
1
,
浜口 伸正
1
,
開発 展之
1
Takeshi NISHINO
1
1高知赤十字病院外科
キーワード:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
胸腺腫
,
術後
Keyword:
ヘパリン起因性血小板減少症
,
HIT
,
胸腺腫
,
術後
pp.387-390
発行日 2011年3月20日
Published Date 2011/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103479
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要旨:患者は76歳の男性で,胸腺腫手術を目的に入院した.心房細動に対してワルファリン内服中であったため,周術期にヘパリンによる代替療法を行った.手術は問題なく終了し,退院を予定していたが,術後7日目に突然の著明な血小板減少とDダイマー上昇を認めた.全身検索で右膝窩静脈に血栓形成が明らかとなった.ヘパリン投与中であったためヘパリン起因性血小板減少症と診断し,ヘパリン投与を中止してアルガトロバンによる代替療法を開始した.その後,血栓は徐々に消失して血小板数も回復し,軽快し退院した.ヘパリン起因性血小板減少症は著明な血小板減少をきたすヘパリンの副作用であり,少なからず動静脈血栓症を合併する重大な疾患である.
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